nano_exit

基礎的なことこそ、簡単な例が必要だと思うのです。

2019-01-01から1年間の記事一覧

fortran のオプショナル引数

練習として、オプショナル引数を使ったサンプルプログラムを作った。Fortran 入門: サブルーチンと関数(自作手続) program ex call ex_sub( 1, z = 3 ) contains subroutine ex_sub( x, y, z ) implicit none !integer, intent( in ) :: x, y, z integer, …

fortran における複素数の入力

以下のファイルの中身を複素数の変数に読み込ませたいとする。 # test input file: test.inp 1.00000 2.00000結構探したが、fortranで外部から複素数を読み込ませるときの上手い方法が見つからなかった。 結局、実数変数に一時的に格納し、後で複素数に変換…

fortran で End of file を検出する。

fortranでファイルを限界まで読み続けると、End of file でエラーが返って来る。この辺がなんとも原始的な香りを感じさせる。 この End of file を検出/処理するためには、以下の二通りが考えられる。 END で行番号へ飛ぶ。 Fortran 入門: ファイル操作 impl…

LAPACK・LAPACK95の使い方。

LAPACKの使い方でいつも困るので自分用も兼ねてまとめる。 LAPACKのインストールの仕方については沢山サイトがあるので割愛。 サブルーチンのリスト(マニュアル) LAPACK95 -- Fortran95 interface to LAPACK Index of LAPACK95 Routines LAPACK95のサブル…

数演算子の波数表示。

数演算子 の波数表示を求める。まず、素直にをフーリエ級数展開で波数表示にしてみる。 にを代入することでを求める。 元に戻るかを確認すると、 の対称性として、が使える。 もしくは以下のようにしても示せる。 特別にのとき、 というように、電子数変化の…

平均場近似の心。

演算子、もしくは確率変数をと置き、それらの期待値(平均値)をそれぞれすると、 という式が成り立つ。 これはまだ厳密である。ここで、「は平均値にそれぞれ近いから、「揺らぎ」である, は凄く小さい」と考えるのが平均場近似である。 ポイントは、という…

オンサイトクーロンの波数表示。

ハバードモデルにあるオンサイトクーロン項の波数表示 を証明する。証明には、以下の関係式が必要である。 これらは以下の記事で扱ったことがある。 koideforest.hatenadiary.com koideforest.hatenadiary.comよって、

時間順序演算子を用いた時間発展演算子の表現。

時間発展演算子は、一般のハミルトニアンに対して次のように表される。 注意として、の順番は勝手に変えてはいけない。 順番を変えて良いのは、同じ時刻の時にのみ限る。 二番目の積分を変形していくが、以下の積分は変数変換をするわけではなく、厳密に同じ…

CoulombポテンシャルのFourier変換(収束因子経由)

以前に、CoulombポテンシャルのFourier変換を、Poisson方程式を経由することで求めた。 koideforest.hatenadiary.com今回は収束因子を導入することによって求める。 と定義すると、 この積分を評価する。と定義し、と置くと、 したがって、

電子ガス模型における電子間相互作用の一次摂動。

電子ガス模型における電子間相互作用の効果を、一次摂動で求める。 ここで、変数変換およびをすると、対称性が良くなる。 半径の球を考える。のとき、の動く範囲はこの球に一致する。 絶対値の中身を具体的に考えると、 これをもとに、で固定したときに許さ…

軸対称な物体の体積。

CTスキャンのように、断面図をからまで足し合わせていくイメージである。 軸対称なため、断面図は半径の円である。球体の場合、 であるから、 となり、よく知っている球の体積が得られた。

電子ガスでよく使うパラメータまとめ

電子密度 電子一個が占める球の半径 Bohr半径 Bohr半径で規格化した電子一個分の半径 Fermi波数

Bosonの多電子波動関数

参考文献:Fetter-WaleckaBosonの多電子波動関数は一電子Boson波動関数および展開係数を用いて、一般に以下のように書ける。 上記に対する例を挙げると、 注意として、 占有率表示における規格化条件は、 のうち、"1"の状態に割り振る数を、"2"に割り振る数…

組み合わせの一般化。

個の要素(例えば番号の振られたボール)のうち個を取り出して、それを個のグループ(例えば番号の振られた筒)に分けたときに、各グループ内の要素の個数がとなる組み合わせの数は、 ただし 証明 個の要素(例えば番号の振られたボール)から個を取り出して…

はじめてのベイズ法。

IPythonデータサイエンスクックブックに載っていた内容の紹介。以下、言葉と記号を整理しておく。 : モデルを構成するパラメータ。ただし、確率変数として扱っていく。 : 「事前確率分布」と呼ばれる、を決定するのに何も情報を持っていない時に仮定するの確…

調和振動における滞在時間からの分布関数の導出。

古典的な調和振動は以下のように表される。 周期を用いて、この振動の(位置)期待値を取ると、 つまり、原点に多く存在している「ように」見える。次に、標準偏差を取ると、 となり、「少なくとも」常に原点にいるわけではないことがわかる。一方、原点から…

無限級数の部分和による近似。

無限級数を部分和に分解したときに、相対誤差がどのようになるかを考察してみた。 無限級数を以下のように定義する。 この無限級数を次の様に部分和で近似してみる。 この近似の相対誤差は、 更に、で元の無限級数に一致させるために、重み付けして和を取る…

Campbell-Baker-Hausdorffの公式と生成消滅演算子の時間発展。

いつも公式を忘れるので、ここでまとめる。 Campbell-Baker-Hausdorffの公式を帰納法を用いて証明する。 帰納法を使えば、 したがって、一般の次数における微分係数が求まったため、Maclaurin展開より、 Campbell-Baker-Hausdorffの公式を(自由)電子系に応…

二項分布まとめ

二項分布の平均と分散がわかりにくかったのでまとめ。 参考:二項分布の平均と分散の二通りの証明 | 高校数学の美しい物語このとき、二項分布に従う確率変数と、となる確率 は次のように定義される。 が規格化されていることを確認。 二項分布に従う確率変数…

極値において、一階微分がゼロでも二階微分はゼロじゃない点について

例として、三次方程式 を考える。では極値を取るとすると、 極値が存在するかどうかは、二次方程式の判別式を解く必要があるが、極値の存在を仮定すると、の関係が求まる。この条件のもと、極値における二階微分を求めると、 となり、一般にゼロでない。この…

正規分布関数(Gauss関数)の正規性、平均および分散

正規分布関数を以下に定義する。 規格化が成り立っていることの証明。 平均値がであることの証明。 分散がであることの証明。 よって、は標準偏差を表すことになる。

三準位系の間接相互作用(プロット)

前回、三準位系について考察した。 koideforest.hatenadiary.com今回は、実際にエネルギー準位が相互作用によってどう変化するかをプロットする。 import numpy as np import sympy as sy from matplotlib import pyplot as plt # eigenvalues e, v12, v23 =…

三準位系における間接相互作用

三準位系で、1と3は相互作用しないが、それぞれ2と相互作用しているときの1と3の関係について知りたい。解きたい行列式。 簡単のため、 更に簡単のため、。 のとき、 となり、中心のは動かない。 二準位だけ考えた場合の分裂幅は、 であることから、三準位で…

CoulombポテンシャルのFourier変換(Poisson方程式経由)

Ashcroft-Mermen "Solid State Physics"に準拠する方法で紹介する。単位の取り方で、が付いたり付かなかったり等、色々有る。 電磁気量の単位系 - Wikipedia CGS単位系を選択することで、 がPoisson方程式に露わに現れる。 。 として扱う。Poisson方程式。 …

「式の形」と「リーダブルコード」について

正射影ベクトルの公式というものがあるらしい。 正射影ベクトルの公式の証明と使い方 | 高校数学の美しい物語 これは、「ベクトルをベクトル方向に射影したベクトルを求める」というものである。この公式を見て思ったのは、「計算出来るけど『意味が』分かり…

励起状態に対する(定常状態)変分法について

「変分で求めた基底エネルギーは、真の基底エネルギーよりも高い」のは良い。しかし、「(定常)変分で求めた励起状態エネルギーは、真の励起状態エネルギーよりも高い」ことの証明は、ネット上でチラホラ見掛けるが、間違っている。励起状態に関しては、何…

ローレンツ関数の積分値

よく忘れるのでメモ。の積分変換と、が思い付けば勝ち。

ゼロとの掛算はゼロに戻る証明。

和の単位元0は、あらゆる積の演算に対して自分自身に戻る。 この性質は、体の定義には含まれておらず、定理として導かれる。 そこで、体に含まれる元に対して、であることを証明する。先に、後で使う定理を導いておく。 以下証明。和の単位元0の性質より、 …

和の逆元が唯一つ存在することの証明。

この手の問題は、ついつい当たり前として証明をサボってしまうので、一つ一つ丁寧にやっていくことにする。体において、とすると、 となる逆元が存在する。 は和において単位元の役割を果たす。この時、逆元が唯一つしか存在しないことを、単位元および逆元…

多変数関数の連続性

変数が増えると、一見連続そうに見えても、不連続な場合がある。例1: import numpy as np from matplotlib import pyplot as plt def arbitrary_function( x, y ): return ( x - y ) / ( x + y + 1e-7 ) N = 1000 x_min, x_max = -1, 1 y_min, y_max = -1, …