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基礎的なことこそ、簡単な例が必要だと思うのです。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

量子力学でのガリレイ変換

特殊相対論(古典力学)の導入でガリレイ変換とローレンツ変換(ローレンツブースト)を比較することが多いが、そもそも量子力学でのガリレイ変換ってなんだ?と思い、簡単に考察。 以下のpdfを参考にした。 http://cat.phys.s.u-tokyo.ac.jp/lecture/QM_1_1…

多重項を数える(2)

以前に、軌道内の多重項を求めるスクリプトを書いた。 koideforest.hatenadiary.comここではそれらを用いた上で、さらに軌道間で多重項を合成する。 軌道の記号と値を行き来する関数 def spec2l( spec ): if spec in { "s", "S" }: l = 0 elif spec in { "p"…

量子揺らぎと不確定性原理

量子揺らぎと不確定性原理について言及してある記事を下記サイトで見つけた。 第一原理計算入門 密度汎関数法 理解への道「量子揺らぎ」と聞くと、何だかよくわからないが、要は「状態が混ざる」ということである。古典的な意味の平均(期待値)および分散は…

密度汎関数理論( DFT)では強配位子場しか計算出来ない?

学生の時に教授から言われた「DFTでは強配位子場しか計算出来ない」というフレーズをふと思い出した。 その時は何を言われているのかよくわからなかったが、今は「何も工夫しなければまぁそうだろう」と思う。いくつか鍵となる概念がある。 DFTは、Kohn-Sham…

三つの散乱波動関数

前回、位相シフトと行列の関係についてまとめた。 koideforest.hatenadiary.com散乱波動関数は、ざっくり3つに分けられると思うので、それぞれまとめてみた。 結局は、位相シフトで全部繋がる。 散乱振幅 位相シフト Green関数(Lippman-Scwinger方程式解)

散乱理論:位相シフトとT行列

外側で値を持たないポテンシャルに対する外側の波動関数は、一般に次のように書ける。 平面波の球面波展開と比較すれば、動径S-eq.の非正則解の線形結合になっていて、一般解の形になっているのがわかると思う。 であるため、この変換は厳密である。 (わざ…

多重項を数える(1)

前回、binary表現を使って、電子配置を作ることを試みた。 koideforest.hatenadiary.com次のステップとして多重項を数え上げるため、電子配置を作るのと同時に角運動量とスピンも一緒にリストで保存するように改良した。 def add_electron( configurations0,…

バイナリーと量子力学

例えば2p軌道とかのp軌道の場合、一電子状態は以下のどれかに対応する。(1,u), (1, d), (0, u), (0, d), ( -1, u), ( -1, d)これを、binary形式、「電子がいる軌道=1」、「電子がいない軌道=0」とすれば、例えば、(1,u)と(1, d)が占有されているとき、110000…

3価のTiイオンのLII, LIII端における原子多重項遷移

Tiの自由イオン状態のedgeは三本のピークが立つ。Tiは基底状態で3dが空っぽなので、基底状態の多重項はとなる。 (多重項はで表される。ただし、をで表す。)edgeでは、2pにホールが開いて、3dに電子が一個足されるので、 電子配置:2p3d 出現する多重項は、…

Green関数の固有関数展開

前回、フーリエ変換の視点で自由Green関数を弄った。 koideforest.hatenadiary.com今回は、もっと一般的(?)にハミルトニアンの固有関数で展開することを考える。 したがって、Green関数の位置表示は、 自由電子の時には、運動エネルギーの固有状態表示で…

自由電子Green関数のFourier変換

パッと探したところ と出来る理由が見当たらなかったので、真面目に計算してみた。 (もちろん、ハミルトニアンの並進対称性から明らかなのはわかっているが、真面目な方法でやって同じ答えになるはずである)Diracのbraket表示を使って、演算子の方程式から…

XMCDのSum ruleをpythonで処理

とあるスクールで、講師が事前に用意したOriginのマクロを使ってXMCDのSum ruleから磁気モーメントを求めるという講習があったが、Originを使いたいと全く思わなかったため、一人でpythonスクリプトを黙々と作っていた。ローレンツ関数やら誤差関数やらで適…

自由電子Green関数の部分波展開

※訂正: マイナスの境界条件で内向き波になるように訂正(2019/03/08)Hartree原子単位系以下、これを証明する。フーリエ変換を使って、微分方程式を解く。 平面波の角運動量展開 パリティ対称性 より、被積分関数はに対して偶関数。よって、 球ベッセル関数は…

MacOSでpythonをインストールし直す

python2を主に使っていたが、仕事上ちゃんとpython3の環境を整えなければならなくなり、その際の記録。いろいろお試し感覚でごちゃごちゃ入れていて、 System由来のpython2 手動経由のpython2 MacPorts経由のpython2 pyenv経由のmicroconda (python3) が混在…