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基礎的なことこそ、簡単な例が必要だと思うのです。

2016-01-01から1年間の記事一覧

周期的境界条件の位相の和の関係

前回、Tight-Bindingで使った位相の和の関係についてまとめておく。 koideforest.hatenadiary.com これらを証明する。簡単のため、格子定数の一次元格子を考える。 格子点個を含む範囲(今の場合は長さと表現できる。2,3次元では箱とよく呼ばれる)を設定し…

第二量子化でTight-Binding

※2019/12/09 修正 位置表示での対角項は、後で行うフーリエ変換(級数)しても対角的なので、省略する。 電子の移動のみをハミルトニアンで扱うと、これを、最近接のみに制限(近似)する。 を最近接のペアを表すとすれば、ここまでは系に依らない(この項だ…

逐次代入法を用いた最もシンプルな例と収束因子:図のテスト

前回、簡単な例で逐次代入法を考察した。koideforest.hatenadiary.com図の使い方のテストもかねて、その内容を図にしてみた。収束因子を使わない場合、は以下のようになる。 ただの長方形をグルグルまわるだけで一向に収束しないのが分かる。収束因子を使う…

MKL11.3:逆行列計算ルーチンの罠

自分の今の環境では、MKL11.3を使ってfortran90でプログラムを弄っている。違う環境では、ここで言うことは当てはまらないかも知れない。逆行列を計算したい。私の願いはそれだけであった。一般の行列に対して対応可能なsubroutineは、GETRF (LU分解)とGETRI…

逐次代入法を用いた超シンプルな例と収束因子

を考える。もちろん答えはである。 これを敢えて逐次代入法で解いてみよう。この方法は固体物理や第一原理計算で用いるSCF法と同じノリである。最初に初期値を設定する。答えに近ければ近い程良いが、とりあえずとおく。これを右辺に代入したものが左辺を与…

初等的な縮退の話

サクライの章末問題に載っててフムフムとなった縮退の話。演算子が互いに交換せず()、かつそれぞれがハミルトニアンと同時固有状態を作るとする。 このときに、一般に縮退が存在することが証明出来る。これを真っ向から挑む場合に、必要十分であることを言う…

二次元ハミルトニアンとパウリ行列

の固有値を求める問題をパウリ行列使って解く方法が割と楽しい(サクライでは章末問題になっている)。 これを行列で書くと、ただし、の単位ベクトルである。 せっかくなので、パウリ行列をスピン演算子に直してあげれば、よりで、変形して何なんだという話…

ハミルトニアンの行列表示

J.J. Sakuraiのゼミをしていたとき、ハミルトニアンの行列表示について議論になった。Diracのbraketを用いた表示で書けば、となる。 Sakuraiだと、イコールではないことを強調して一応を用いてはいるものの、結構ポッと出な感もあるし、何よりもの中のは外の…

fortranとpython(読み込み)

fortranユーザーからpythonに移って来ると、ただテキスト編集したいのにも関わらず、fortranの癖に慣れてしまったが故にpythonがなかなか使えるようにならんかったのでちょっと整理。「ファイルを開いて中身を読んで閉じる」までをfortranとpythonで比較。 f…

奇数次元の虚数について

虚数は二次元の正方行列を用いて、と書ける。 では、三次元の正方行列で二乗したら単位行列にマイナスの掛かったものが得られるかをボンヤリ考えたところ、しか思いつかんかった。このを二次元と思えば、super matrixと解釈して各行列要素が二次元正方行列に…

2GBの壁

*.f90に対して、64bit対応でcompileする分には問題無いが、それを32bitでcompileしたり、*.fの場合には静的メモリに2GBの制限が付くらしい。relocation truncated to fit: R_X86_64_32S against *... additional relocation overflows omitted from the outp…

コーシー・シュワルツの不等式の幾何学的考察

「シュワルツの不等式」の判別式による導出に関する考察。ちなみにシュワルツの不等式(ベクトルに)は(クーラント・ヒルベルトの「数理物理学の方法(上)」参照) ベクトルに対して、 が成り立つというものである。ここではベクトルは実ベクトルに限定し…

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