前回、重なり積分がゼロの時について考察した。
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今回は、より一般的なの場合について、複数の解法を考える。
解きたい行列方程式は、
の固有値方程式を一般化固有値方程式と呼び、の場合を標準固有値方程式と呼ぶ。
つまり、の時は標準固有値方程式だった訳である。
- 単純に移項する。
これは以前の記事でも扱った方法。
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今の問題の場合には、これが一番簡単。
ただし、未知数が非対角成分にも現れるため、数値計算的なアルゴリズム(つまり機械的な方法)に帰着させ難い。
別な言葉で言えば、標準化させずに解くため、解法の指針が立たず、一般化させ難い。
- の利用。
最も安直な標準化の方法。
二次元行列の逆行列は、次のように書ける。
掃き出し法を使っても良いし、余因子を使っても示せる。
これにより、は、
したがって、
しかし、逆行列をまともに扱うため、アルゴリズムは単純だが、行列が大きくなるとシンドイ。
- コレスキー分解の利用。
一般化固有値方程式の話に戻る。
がエルミート行列の時、上三角行列を用いて、を次のように表すことが出来る(コレスキー分解)。
特に、が実対称行列であれば、
この時、
ただし、
と定義した。
一般に、は実対称行列であるため、コレスキー分解が使える。
したがって、
上三角行列が使えるため、数値計算上は得が多いが、手計算上は複雑になる。
コレスキー分解によるハミルトニアン行列の変形が、何か物理的に分かりやすい解釈を与えるかとホンノ少し期待したが、そんなことはなかった。
今は水素分子イオンなので2x2行列で簡単だったが、そのうち金属水素をtight-bindingで計算した時の行列の影響について調べてみたい。