あるセル内の散乱によるセルT行列を と置くと、全てのサイトによる散乱Green関数 は次のように書ける。
ここで、 は自由散乱状態におけるGreen関数である。また、セルに属するサイトをという風に表した。
セルT行列 はサイトT行列 を用いて次のように書ける。
セルT行列に関する詳しい話は前回まとめた。
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ここで、系が並進対称性を持ち、ユニットセルが周期的に繰り返しているとすると、セルT行列はセルに依存しなくなる(, )。
Fourier級数展開によって、セルの添字を結晶運動量に変換する。
はサイト間の差にしか依存しないため、
したがって、
よって
逆行列計算に計算コストが掛かるため、ユニットセル内の原子だけに抑えられるのはかなりのメリットだと思われる。