ラグランジュアンの微分について、佐久間さんの呟きを見つけた。
∂L/∂vに物理的解釈なんか求めなくていいけど、考えずにはいられない物理学徒のために言うと、「関数yを動かすときy,y'は独立ではない。関数を考えるな。架空の位置wと速度vの対(状態)全体のなす空間ではw,vは独立だからwを止めながらvを動かすことが意味をもつ。架空の速度によるLの微分が∂L/∂v」
— 佐久間 (@keisankionwykip) 2021年12月5日
昔の自分の記事で考察したことがあったのを思い出した。
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改めて見直すと、汎関数微分を全微分で考えようとしていたり、不正確なところもあり、反省した。
その上で、数学と物理の考え方の違いが自分の中で見えた気がする。
ラグランジュアンの考え方に、二つあると見た。
- 物理:最終的には時間の関数と思う。
- 数学:独立な2変数(もしくは3変数)を引数に持つ関数と思う。
とは時間の関数だから、にとの具体的な形を入れると、結局は時間変数だけで表されることになる。
荒っぽく言えば、時間だけの関数を都合の良いようにで分けて、それぞれを独立だと思って偏微分すると、それらしいものが得られる。
一方で、本来、を関数として考えるならば、定義域をしっかり規定する必要がある。の形にする時点で、独立な変数の組の全領域(もしくは物理として必要な領域)でが定義されていて、その微分(導関数)も(物理として使う上で)定義されている必要がある。
この導関数は、独立な変数の組に対する微分操作によって得られる。
物理としてやその導関数を使う場合には、独立な変数の組の値としてを代入したと考えるべきなのだろう。
熱力学の偏微分も、同じようなことが起きていると思われる。