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基礎的なことこそ、簡単な例が必要だと思うのです。

オイラー・ラグランジュ方程式の導出におけるラグランジュアンの偏微分

ラグランジュアンの微分について、佐久間さんの呟きを見つけた。

昔の自分の記事で考察したことがあったのを思い出した。
koideforest.hatenadiary.com
改めて見直すと、汎関数微分を全微分で考えようとしていたり、不正確なところもあり、反省した。
その上で、数学と物理の考え方の違いが自分の中で見えた気がする。

ラグランジュアン L(q(t),\dot q(t),t)の考え方に、二つあると見た。

  • 物理:最終的には時間の関数と思う。
  • 数学:独立な2変数(もしくは3変数)を引数に持つ関数と思う。

 q(t) \dot q(t)は時間の関数だから、 L(q(t),\dot q(t),t) q(t) \dot q(t)の具体的な形を入れると、結局は時間変数 tだけで表されることになる。
荒っぽく言えば、時間だけの関数を都合の良いように (q(t),\dot q(t),(t))で分けて、それぞれを独立だと思って偏微分すると、それらしいものが得られる。

一方で、本来、 Lを関数として考えるならば、定義域をしっかり規定する必要がある。 L(q,\dot q,(t))の形にする時点で、独立な変数の組 (w,v,\tau)の全領域(もしくは物理として必要な領域)で L(w,v,(\tau))が定義されていて、その微分導関数)も(物理として使う上で)定義されている必要がある。
この導関数は、独立な変数の組 (w,v,\tau)に対する微分操作によって得られる。
物理として L(q(t),\dot q(t),(t))やその導関数を使う場合には、独立な変数の組 (w,v,\tau)値として (q(t),\dot q(t),(t))を代入したと考えるべきなのだろう。

熱力学の偏微分も、同じようなことが起きていると思われる。