前回、水素分子イオンにおけるハミルトニアンの行列要素を求めた。
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今回は、それらが求まっているとして、結合・反結合軌道がどのようなロジックで得られるかを紹介する。
各水素原子波動関数を基底関数として、その線形結合で水素分子イオンの波動関数を作るとする。
この時に満たされるべきシュレーディンガー方程式は、
決定したい係数がと二つあるため、に関する方程式が二本必要。
そのために、左からもしくはを掛けて、位置変数で積分する。
これを行列で表すと、
が共にゼロでない解が得られる条件は、
の時、
も同様にして、が示せる。
したがって、結合軌道と反結合軌道が得られた。
この時点では、エネルギーの評価をしていないので、どちらが安定化はわからないが、プロットしてみると結合エネルギーが常に反結合エネルギーよりも安定になる。