サクライの章末問題に載っててフムフムとなった縮退の話。
演算子が互いに交換せず()、かつそれぞれがハミルトニアンと同時固有状態を作るとする。
このときに、一般に縮退が存在することが証明出来る。
これを真っ向から挑む場合に、必要十分であることを言うのはなかなかしんどい気がする。ホワンとした証明しか思いつかん。
これは背理法を使うと結構スッキリ話を持って行けて気持ちいい。
背理法として、縮退が無いとまず仮定する。あるエネルギー固有状態をの固有値でラベル付けるか、の固有値でラベル付けるか好きな方を選択出来るが、の前提条件によりとを一つの状態に同時に指定することは出来ない。しかし、今の仮定では縮退が無いため、
である。これは次の式で見るように、に抵触している。
よって、縮退が無いという仮定が誤りであり、実際には縮退していることが言える。
これの具体例で良さそうだなぁと思ったのが点群で、例えばを考えて、、と対応付けられて、図を描くとわかるが、、(鏡映面の異なる鏡映操作)となり、交換しない。加えて、系がに属していればハミルトニアンはの対称操作に対して変わらない。よって、エネルギー固有状態は縮退している。
実際、は二次元の既約表現を持ち、二重に縮退する。もちろん、一次元の全対称既約表現(どの対称操作に対しても不変)しかないような部分空間を用意するならば、話は別で縮退は無い(この部分空間においてはが成立)。
でもやっぱ点群とかは図が無いと説明が絶望的に伝わらんなぁ。。。でもサクライだと角運動量とで説明してて、交換しないのがただ数式的な感じがして個人的には縮退のイメージがピンとこなかったんだよなぁ。。。悩ましい。。。