ランダウ=リフシッツ(力学)に載っていた問題。
一般座標と時間と質量をスケール変換することを考える。
このスケール変換に対して、ラグランジュ方程式が不変に保たれる条件を考える。
速度等の普遍的な量は以下のスケール変換を受ける。
ポテンシャルに関しても、以下のようなスケール変換を受けるとする。
ラグランジュアンおよびラグランジュ方程式は以下で与えられる。
ラグランジュ方程式は、全体を定数倍しても不変に保たれるので、そのような関係を満たすようなを考える。
ラグランジュアン が定数倍であるためには、
という条件が課せられる。
このとき、以下のようにラグランジュ方程式が単に定数倍化されて不変に保たれることが分かる。
したがって、ラグランジュ方程式を不変にするスケール変換の条件は、
スケール後の変数をプライム付きで表すと、
このスケール変換による特性を用いて、以下の問題に答えることが出来る。
- ポテンシャルが同一で、同じ軌跡を描く運動において、質量を変化させたときの運動時間の変化。
質量の平方根だけ余計に時間が掛かる(遅くなる)ことがわかる。
- ポテンシャルをスケール変化させても運動が同じ軌跡を描く場合の運動時間変化(質量変化無し)。
ポテンシャルに対しては、質量の平方根の逆数だけ早くなることがわかる。
例えば、長さを変えたときに体積がどれくらいのオーダーで大きくなるかが分かっているだけでもだいぶ便利なように、各変数の詳細な量が分からなくても、変化するオーダーが一瞬で分かってしまうのは、驚嘆に値する。