- 自然座標
が描く軌道上の点を基準点に選ぶ。ここから軌道に沿ったまでの距離をとおけば、これを一般化して基準点からの軌道に沿った距離は時間の関数で表せる。
これを推し進め、と変換すれば、軌道はの変数としてみなすことが出来る。
この表現を用いて、速度を表すことを考える。
ここで、
は二点間の直線距離、はその二点間の軌道上の距離であるが、微小極限では両者は一致するから、は単位ベクトルであることがわかる。の方向は、点における軌道の接線方向に一致する。
が単位ベクトルであるから、はそのまま速度の大きさに一致する。
まとめると
次に加速度を求める。
が単位ベクトルであるため、の微小変化に対するの変化は微小回転に対応する。このの微小回転は、回転中心を頂角に持つ二等辺三角形で図示され、底辺の長さがの変化量に対応する。微小回転においては、二等辺三角形の底辺と円弧は等しいため、底辺以外の長さはであるから、と書ける。は微小回転角である。
これによって、は長さの逆数の次元を持つことが分かる。
を曲率半径と呼ぶ。後で、等速円運動において半径に一致することを示す。
は微小回転運動を表すため、その向きはに対して垂直である。接線に垂直な線分を法線と呼ぶため、は法線ベクトルに平行と言える。
まとめると、
- 等速円運動
等速円運動を直観的に表すと、
ここから、速度と加速度が求まる。
これを自然座標の結果と比較する。
等速円運動において、速度のノルムはで変化しないから。円運動の法線は回転中心に向かっているから、。
よって、
円運動における曲率半径が厳密に半径に一致することが示せた。
つまり、曲率半径は、軌道上のある点を円運動と見なした時に対応する円の半径を表している。
直線であれば無限に大きいし、急に曲がっていたら有限の小さい値になることが、ここから理解できる。