前回までに、水素分子イオンの結合・反結合軌道についてまとめた。
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今回は、各値をプロットしてその挙動を確かめる。
- 各種積分値
の方がに対する減衰が速いため、より近距離で働くことが分かる。
- ハミルトニアン行列要素
- の各成分
が遠いところでは、はちょびっと負になっている。
しかし、安定化に大きく貢献しているのは、やはりである。
は、重なった成分が各原子核からクーロン力で引っ張られている寄与なので、イメージし易い。
は相変わらずどう解釈するべきかわからない。
- 結合・反結合エネルギー
ちゃんとプロットしてみると、結合エネルギーは常に反結合エネルギーよりも安定である。
approxは、と近似したもので、を無視した形になっている。
基底関数的に言えば、は基底が過完備だった時に対する補正のようなものである。
そのため、何か基底関数系を適当に作った時に補正が如何に重要であるかを端的に見れるのは、教育的に思う。
ちなみに、の大小関係が逆転する点は、の点であり、これはを無視した時の固有値方程式が
であることに因る。