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基礎的なことこそ、簡単な例が必要だと思うのです。

Green関数の遅延条件(因果律)について

以下のサイトで、一次元のGreen関数が分かり易くまとめられている。
slpr.sakura.ne.jp

 G(t,t')において t \neq t'のところでは簡単に一般形が求まるし、更に遅延条件(因果律)を課すことで具体的な形が求まるというのは、なるほどと思った。
それによって、自分が以前求めたものと一致したものが得られていた。
koideforest.hatenadiary.com

他サイトの導出と自分の導出を比較して、気が付いたことがある。
自分の場合には、問題に合った定義域の下端が設定される(例えば t \ge 0)ことによって、Green関数に制限が加わり、結果的に遅延条件になった。
一方、他サイトの方法では、遅延条件は完全に人間の都合によるものであるとして導入し、定義域は基本的に無限空間内( -\infty < t < \infty)を動くとしている。

もちろん、定義域の設定そのものが「人間の都合によるもの」でもあるのだが、Green関数に課される因果律よりも、むしろ定義域の方が問題設定として土台になっているのではないかと感じた。
そうでなければ、 t_0で自由落下を始めるとするとき、 t < t_0 での物体が自由落下し始める前のことを考えなければならなくなってしまう。
その意味で、因果律そのものは、我々が普段自然に設定する初期条件と切っても切れない関係にあると思う。