円周率が4である動画が話題になった。
「円周率=4」を証明してみせましょう。“3.14…”を覆す新理論(?)に驚愕する声多数! 理数系学生「反論思いつかなくて草」
これと似たようなことを自分でもやってみた。
アイデアは「波数が無限に大きく、かつ振幅が無限に小さい正弦波の長さは、(見た目)直線と同じ」というものである。
ではもはや直線にしか見えない。
波数が大きくなるにつれて、徐々に振幅を小さくしているが、実はこれらの線の長さは全て同じである。
をまで線積分すると、(:第二種完全楕円積分)であるので、
と数値的に求まる。
以下、種明かし。
次の正弦波を考える。
線積分がし易いように、媒介変数表示で表すと、
よって、 における正弦波の長さは、周期を4倍して、それを個考えれば良く、1周期 だから、
ここで、 とした。
見るとわかるが、 であれば であっても線分の長さが変わらない。
ここでは (つまり通常の正弦波)として計算を進める。
ここで、 は完全第二種楕円積分として、次のように与えられる。
一見すると簡単そうだが、初等的には歯が立たないことが知られている。
楕円積分 - Wikipedia
は 1.35064... と数値計算で求まるので、冒頭にあったように、 であることがわかる。
今は と置いたが、論理的には はいくらでも大きく出来るので、はいくらでも大きくなることになる。
本当に が3.14... より大きいことを証明するためには、下限を求める必要がある。
実は今やっているのは、数学的には上から抑えていた に過ぎない。
これを下から抑えようとすると、は有限で の時に線分の長さが最小になることを使うと、の区間における線分の長さはであり、という極当たり前の結果が得られる。
まぁ楕円積分中にもが入っているから、堂々巡りは堂々巡りなのだが、楕円積分に初めて触れるには丁度良いテーマだったのではないかと思っている。