以前に相関関数をいろいろまとめた。
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しかし気になったのは、「今のコヒーレンスの定義では 1 にしかならないのではないか?」という点である。
広島大の講義ノートにクロススペクトルの意味についての記述を見つけた。
https://home.hiroshima-u.ac.jp/nishino/Classforundergraduate/Keisoku/keisoku2shou.pdf
しかし、フーリエ変換しているのになぜか変換前の引数に依存しているし、百歩譲ってそれは良しとしても、平面波から勝手に関数が出て来ているし、意味不明である。
ポイントは、アンサンブル平均にある。
何回か同じ測定をして、データのセットが個あるとすると、
簡単のため、今として各スペクトルのアンサンブル平均を求めると、
これらを用いてコヒーレンスを計算すれば、
これで分母と分子に違いが出た。クロススペクトルによって、データセット間のもしくは同士の関係を考慮することが出来る。
したがって、このコヒーレンスはそもそも統計量に関するものであり、「入力と出力の波形がどれくらい似ているか」ではなく、「複数回測定しても強く再現される信号はどの波数成分か」を表すものと言える。(その意味で「相関」と言えなくもないが、相関関数の相関とは別な意味だと思う)
そのため、全てのデータセットが全く同じものの場合(もしくは一度しか測定を行わなかった場合)、コヒーレンスは常に 1 になる。