nano_exit

基礎的なことこそ、簡単な例が必要だと思うのです。

Path operator と Coherent Potential Approximation (CPA)

Path operator を次のように用意しておく。


\displaystyle
\tau = G + GtG + GtGtG + ...
\\
\displaystyle
= G \left( 1 - tG \right)^{-1} = \left( G^{-1} - t \right)^{-1}
\\
\displaystyle
= t^{-1} \left[ \left( 1 - tG \right)^{-1} - 1 \right]= \left( t^{-1} - G \right)^{-1} - t^{-1}

 Gはサイト間の移動、 tはサイト上での繰り込まれた相互作用(site T matrix)を表すとする。
後のために tを一応、site potential  vを使って定義しておく。

\displaystyle
t = v + v g v + v + v g v g v + ... = \left( v^{-1} - g \right)^{-1}
 gはサイト内の伝搬を表すと定義するが、後の議論には出てこないのでここでは割愛。

サイトと tが一対一対応すれば良いが、例えば合金のように一つのサイトに対して複数の原子がある確率を持って占有する場合、 tをsite potentialの平均から作る近似(仮想結晶近似:VCA)は粗過ぎる。
何故なら、本来は固定された tのセットを全ての可能な配置に対して求め、それを配置数で割るという平均の取り方をするべきであり、複数種類の tが同時にそのサイトに重みを持って存在している訳ではない。

したがって、配置に対して、すなわちpathの取り方に対して、ある種の平均操作を行うのが妥当だと思われる。
そのような平均操作によって得られたpath operatorを \bar{ \tau }と定義する。
仮に \bar{ \tau }が求めまっていると仮定する。
この \bar{ \tau }を与えるような \bar{ t }を上でpath operatorを用意したように、次の様に定義する。

\displaystyle
\bar{ \tau } = G + G \bar{ t } G + ... = \left( G^{-1} - \bar{ t } \right)^{-1}
\\
\displaystyle
\therefore \; \bar{ t } = G^{-1} - \bar{ \tau }^{-1}
\\
\displaystyle
or
\\
\displaystyle
\bar{ t }^{-1} = \left( G^{-1} - \bar{ \tau }^{-1} \right)^{-1}
= G G^{-1} \left( G^{-1} - \bar{ \tau }^{-1} \right)^{-1} \bar{ \tau }^{-1} \bar{ \tau }
= G \left( \bar{ \tau } - G \right)^{-1} \bar{ \tau }

仮に求まっているとした平均的な場(と呼んで良いかは微妙だが、ここでは有効場と呼ぶことにする)に、注目している相互作用 t_{\alpha}が埋まっているとする。
その場合のpath operator  \bar{ \tau }_{\alpha}は次の様に求められる*(厳密になんでそうなるかは不勉強)。

\displaystyle
\bar{ \tau }_{\alpha}
= \bar{\tau} \left[ 1 + \left( \bar{ t }^{-1} - t^{-1}_{\alpha} \right) \bar{\tau} \right]

これの意味は、次の変形を踏まえると分かり易くなる。

\displaystyle
\bar{ t }^{-1} - t^{-1}_{\alpha}
=  \left( \bar{ v }^{-1} - g \right) -  \left( v^{-1}_{\alpha} - g \right)  
= \bar{ v }^{-1} - v^{-1}_{\alpha}
= \frac{ v_{ \alpha } - \bar{ v } }{ v_{ \alpha } \bar{ v } }
= \frac{ \Delta v }{ v_{ \alpha } \bar{ v } }

つまり、以下の様に、有効場を与える様なsite potential(決してただの平均ではない(と思う))を考慮したいsite potentialで置き換えることで、「埋まる」ことを表現している(なんで v_{\alpha} \bar{ v }で割るのかは不明。しかもこれだとただの一次摂動に思える)。

\displaystyle
\bar{ \tau }_{\alpha}
= \bar{\tau} + \bar{\tau} \frac{ \Delta v }{ v_{ \alpha } \bar{ v } } \bar{\tau}

有効場に埋まっている各相互作用、ここでは二元系として A, B、に対して、有効path operator \tau_A, \tau_Bが求まったが、これらが有効場を構成しているわけだから、この平均がもともとの有効場に一致すると考えれば、

\displaystyle
x_A \bar{ \tau }_A + x_B \bar{ \tau }_B = \bar{ \tau }
 x_A, x_B A, Bの割合である。

これで変数の閉じた自己無撞着方程式が得られた。
この方法でpath operatorを得る方法をCoherent Potential Approximation (CPA)と呼ぶ。

やっぱり、 \bar{ \tau }_{\alpha}の導出を理解しないと、わかった気になれんなぁ。。。

*Ref: V. Popescu et al., J. Synchrotron Rad. 6 (1999) 711.