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量子力学、固体物理、fortran、python、etc

周期的境界条件の位相の和の関係

量子力学

前回、Tight-Bindingで使った位相の和の関係についてまとめておく。
koideforest.hatenadiary.com

 
\displaystyle \frac{ 1 }{ N } \sum_k e^{ i k R_i } = \delta_{ R_i 0 } \\
\displaystyle \frac{ 1 }{ N } \sum_i e^{ i k R_i } = \delta_{ k 0 }
これらを証明する。

簡単のため、格子定数 aの一次元格子を考える。
格子点 N個を含む範囲 L = N a (今の場合は長さと表現できる。2,3次元では箱とよく呼ばれる)を設定し、この Lが周期的に繰り返しているとする。ここに割と自分は嵌まった。もともと格子定数 aで既に周期的であるが、わざわざそれよりも大きい入れ物で周期性を考えるのである。この Lの中で、格子点は i = 0, 1, \cdots, N-1が含まれるとする。 0 Nが同じ値を取るとするのが周期的境界条件である。

この一次元格子上で平面波が満たすべき条件は、
 e^{ i k L } = e^{ i k 0 } = 1 より、 k = 2 \pi n / L = 2 \pi n / ( N a )(ただし、 nは整数)となり、(結晶)運動量が定まる。 L \rightarrow \infty \, ( N \rightarrow \infty )としない限り、運動量は離散化する。

ここで、この平面波を L内で和を取る。 R_i = a n_iと出来るから、

\displaystyle  \sum_{ i } e^{ i k R_i } = \sum^{ N-1 }_{ n_i  = 0 } e^{ i k a n_i } = ( 1 + e^{ i k a } + e^{ 2 i k a} + \cdots + e^{ ( N - 1 ) i k a } )

この級数は、

\displaystyle   S = 1 + e^{ i k a } + e^{ 2 i k a} + \cdots + e^{ ( N - 1 ) i k a } \\
\displaystyle   e^{ i k a } S = e^{ i k a } + e^{ 2 i k a} + \cdots + e^{ ( N - 1 ) i k a } + e^{ N i k a } \\

ここで e^{ N i k a } = e^{ N i ( 2 \pi / N a ) a } = 1より、


\displaystyle   S = 1 + e^{ i k a } + e^{ 2 i k a} + \cdots + e^{ ( N - 1 ) i k a } \\
\displaystyle   e^{ i k a } S = e^{ i k a } + e^{ 2 i k a} + \cdots + e^{ ( N - 1 ) i k a } + 1 \\

よって、  ( 1 - e^{ i k a } ) S = 0であり、 k \neq 0 のとき S = 0
 k = 0のとき S = 1 + 1 + \cdots + 1 = Nとなる。
これをまとめると、

 \displaystyle  \frac{ 1 }{ N } \sum_{ i } e^{ i k R_i } = \delta_{k0}

となる。kについても同様に、和の範囲を Nに制限すると、

\displaystyle  \sum_{ k } e^{ i k R_i } = \sum^{ N-1 }_{ n_k  = 0 } e^{ i ( 2 \pi n_k / L ) R_i } = 1 + e^{ i (2 \pi R_i / L ) } + e^{ 2 i (2 \pi R_i / L ) } + \cdots + e^{ ( N - 1 ) i (2 \pi R_i / L ) } \\

また、 n_iは整数であるため、

\displaystyle  e^{ N i ( 2 \pi R_i / L  ) } = e^{ N i ( 2 \pi n_i a / ( N a )  ) } = e^{ 2 \pi i n_i } = 1

あとは、 iの和と同様の級数の扱いで求まる。
この導出はよく忘れるので、個人的にやっとまとめられたなぁと感慨深くあります。