前回、Tight-Bindingで使った位相の和の関係についてまとめておく。
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これらを証明する。
簡単のため、格子定数の一次元格子を考える。
格子点個を含む範囲(今の場合は長さと表現できる。2,3次元では箱とよく呼ばれる)を設定し、このが周期的に繰り返しているとする。ここに割と自分は嵌まった。もともと格子定数で既に周期的であるが、わざわざそれよりも大きい入れ物で周期性を考えるのである。このの中で、格子点はが含まれるとする。とが同じ値を取るとするのが周期的境界条件である。
この一次元格子上で平面波が満たすべき条件は、
より、(ただし、は整数)となり、(結晶)運動量が定まる。としない限り、運動量は離散化する。
ここで、この平面波を内で和を取る。と出来るから、
この級数は、
ここでより、
よって、であり、のとき。
のときとなる。
これをまとめると、
となる。kについても同様に、和の範囲をに制限すると、
また、は整数であるため、
あとは、の和と同様の級数の扱いで求まる。
この導出はよく忘れるので、個人的にやっとまとめられたなぁと感慨深くあります。