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基礎的なことこそ、簡単な例が必要だと思うのです。

量子力学

ポテンシャルの角運動量展開

非球対称ポテンシャルでは、波動関数を球面調和函数で展開すると角運動量を添字とする行列になることを示した。 koideforest.hatenadiary.com 角度積分するのに掛かる時間を、必要な最大の軌道角運動量と動径メッシュの数をそれぞれ、とすると、全ての行列要…

非球対称ポテンシャルにおけるT行列

前回、非球対称ポテンシャルの時には、位相シフトがT行列を表すのにあまり役に立たないことを示した。 koideforest.hatenadiary.com今回は、どうやってT行列(の行列成分)を求めるかを考える。 波動関数はT行列を使って次のように書けることを前回示した。 …

散乱理論:位相シフトとT行列:非球対称ポテンシャル

以前、球対称ポテンシャルの時の位相シフトとT行列についてまとめた。 koideforest.hatenadiary.com今回は、非球対称の時に両者がどのように結ばれるかを調べる。前回と同様、外側で値を持たないポテンシャルに対する外側の波動関数は、一般に次のように書け…

永年方程式は無限空間には使えない。

第一原理計算でよくある平面波展開は、よく考えると無限空間には使えない。 というのも、平面波の規格化が箱の規格化ではなく、デルタ関数規格化だからである。を無限空間の平面波で展開すると、 これの左から任意の平面波をかけて、位置で積分することで直…

Muffin-tin近似と厳密なポテンシャルとの差について

簡単のため、二個の離れた原子核からのクーロンポテンシャルのみを扱うとする。 この時の、厳密なポテンシャルとMuffin-tin近似との差を見る。Muffin-tin近似をする際、隣のサイトのポテンシャルの球平均は、以前にまとめた方法を使った。 koideforest.haten…

Juliaで一次元井戸型ポテンシャル

以下のサイトの下の方に、Juliaで一次元のシュレーディンガー方程式を解くPDFが紹介されている。 物理ノートby永井Juliaの練習としてやってみた。 PDF内では、無限の井戸の中に斥力ポテンシャルを入れた場合をやっているが、ここでは引力ポテンシャルに対し…

量子力学でのガリレイ変換

特殊相対論(古典力学)の導入でガリレイ変換とローレンツ変換(ローレンツブースト)を比較することが多いが、そもそも量子力学でのガリレイ変換ってなんだ?と思い、簡単に考察。 以下のpdfを参考にした。 http://cat.phys.s.u-tokyo.ac.jp/lecture/QM_1_1…

多重項を数える(2)

以前に、軌道内の多重項を求めるスクリプトを書いた。 koideforest.hatenadiary.comここではそれらを用いた上で、さらに軌道間で多重項を合成する。 軌道の記号と値を行き来する関数 def spec2l( spec ): if spec in { "s", "S" }: l = 0 elif spec in { "p"…

量子揺らぎと不確定性原理

量子揺らぎと不確定性原理について言及してある記事を下記サイトで見つけた。 第一原理計算入門 密度汎関数法 理解への道「量子揺らぎ」と聞くと、何だかよくわからないが、要は「状態が混ざる」ということである。古典的な意味の平均(期待値)および分散は…

密度汎関数理論( DFT)では強配位子場しか計算出来ない?

学生の時に教授から言われた「DFTでは強配位子場しか計算出来ない」というフレーズをふと思い出した。 その時は何を言われているのかよくわからなかったが、今は「何も工夫しなければまぁそうだろう」と思う。いくつか鍵となる概念がある。 DFTは、Kohn-Sham…

三つの散乱波動関数

前回、位相シフトと行列の関係についてまとめた。 koideforest.hatenadiary.com散乱波動関数は、ざっくり3つに分けられると思うので、それぞれまとめてみた。 結局は、位相シフトで全部繋がる。 散乱振幅 位相シフト Green関数(Lippman-Scwinger方程式解)

散乱理論:位相シフトとT行列

外側で値を持たないポテンシャルに対する外側の波動関数は、一般に次のように書ける。 平面波の球面波展開と比較すれば、動径S-eq.の非正則解の線形結合になっていて、一般解の形になっているのがわかると思う。 であるため、この変換は厳密である。 (わざ…

多重項を数える(1)

前回、binary表現を使って、電子配置を作ることを試みた。 koideforest.hatenadiary.com次のステップとして多重項を数え上げるため、電子配置を作るのと同時に角運動量とスピンも一緒にリストで保存するように改良した。 def add_electron( configurations0,…

バイナリーと量子力学

例えば2p軌道とかのp軌道の場合、一電子状態は以下のどれかに対応する。(1,u), (1, d), (0, u), (0, d), ( -1, u), ( -1, d)これを、binary形式、「電子がいる軌道=1」、「電子がいない軌道=0」とすれば、例えば、(1,u)と(1, d)が占有されているとき、110000…

3価のTiイオンのLII, LIII端における原子多重項遷移

Tiの自由イオン状態のedgeは三本のピークが立つ。Tiは基底状態で3dが空っぽなので、基底状態の多重項はとなる。 (多重項はで表される。ただし、をで表す。)edgeでは、2pにホールが開いて、3dに電子が一個足されるので、 電子配置:2p3d 出現する多重項は、…

Green関数の固有関数展開

前回、フーリエ変換の視点で自由Green関数を弄った。 koideforest.hatenadiary.com今回は、もっと一般的(?)にハミルトニアンの固有関数で展開することを考える。 したがって、Green関数の位置表示は、 自由電子の時には、運動エネルギーの固有状態表示で…

自由電子Green関数のFourier変換

パッと探したところ と出来る理由が見当たらなかったので、真面目に計算してみた。 (もちろん、ハミルトニアンの並進対称性から明らかなのはわかっているが、真面目な方法でやって同じ答えになるはずである)Diracのbraket表示を使って、演算子の方程式から…

自由電子Green関数の部分波展開

Hartree原子単位系以下、これを証明する。フーリエ変換を使って、微分方程式を解く。 平面波の角運動量展開 パリティ対称性 より、被積分関数はに対して偶関数。よって、 球ベッセル関数は特異点を持たないので、分母にのみ特異性がある。 これを利用して、…

散乱振幅からサイトT行列を復元する。

実験結果か何かで、散乱振幅の角度分布が得られているとする。 ここからサイト行列を復元する方法を考える。 サイト行列が求まれば、そこからArgand diagramを作って、(準)共鳴準位があるとかないとか、追加で情報が得られる(もし角度分布のエネルギー依…

部分散乱振幅(サイトT行列)のアーガンド図

仕事で図を作る必要があったので、練習がてらまとめた。位相シフトなどの概念にについては、wikipedia等を参照して頂きたい。 散乱振幅 - Wikipedia 簡単に言うと、「ポテンシャルが無い時の波は、ポテンシャルによってどれくらい変調されたか?」を表す量で…

第二量子化と場の演算子と波動関数

以前、第二量子化についての記事を書いたが、誤って消してしまったので、再度投稿。任意の波動関数を、基底関数で展開し、その展開係数をとする。 これに対応する場の演算子は、消滅演算子を用いて、次のように書ける。したがって、第二量子化は展開係数を量…

水素様原子波動関数 (python)

以前、pythonにおける水素様原子のためのLaguerre陪関数について確認した。 koideforest.hatenadiary.comせっかくなので、pythonで規格化まで含めた水素様原子波動関数のスクリプト(原子単位系)を作った。 from scipy.special import assoc_laguerre from …

X線吸収の多重散乱理論でよく使いそうな関数 (python)

ほぼ自分用のメモ from scipy.special import spherical_jn, spherical_yn, sph_harm from sympy import * from sympy.physics.wigner import clebsch_gordan, gaunt # spherical Bessel function def jl( l, rho ): return spherical_jn( l, rho ) # spheri…

メタン(CH4)の分子軌道とLiebフラットバンド

四つ足で御馴染みのメタンの分子軌道が、固体におけるLiebフラットバンドが現れる構造と同じということで、テンションが上がった。以下の簡単な飛び移りだけを考えたハミルトニアン行列の固有値と固有ベクトルを求める。 対角成分(各原子上でのエネルギー)…

Møller wave operator における 加藤の連鎖律(?)

N粒子系における二体ポテンシャルを、粒子ペアに番号を付けて、その間の相互作用の和()として定義する。二体ポテンシャルとしたが、結局は相互作用に何かしら番号が付けられて、全体がその和として与えらえるのであれば、いろんな応用が考えられる(と思う…

球対称関数を別の位置で球平均する

を原点から測った距離とし、原点から見て球対称な関数をとする。 原点から見て位置にあるサイトがあるとする。 サイトを原点に取り直した任意の位置ベクトルをと定義する。 やりたいことは、をサイトから見ると球対称ではないので、サイトから見たときの球対…

デルタ関数のエンタングルメントを完備関係式で断つ?

例えば球面調和関数これはある意味のエンタングルメントを断ったと言えるか? 添字が一個なので、ベクトルに拡張すれば、よって、ある種の行列化によって変数分離が可能である。ポイントは、もともと行列ではなくただの数だったので、「左に横ベクトル・右に…

Gaunt積分のまとめ

Gaunt積分の自分的メモ。 Clebsch–Gordan coefficients - Wikipedia 3-j symbol - WikipediaGaunt積分(多分一般的な呼び名ではない。が、自分の分野ではよく出てくる。) Gaunt係数(Wikipediaとかに載っているのはこっち。) Clebsh-Gordan係数と3j記号の…

sympyの虚数単位を通常に戻してnumpyが使えるようにする

sympy moduleを一部使ってゴニョゴニョ計算させて、それを元にnumpy moduleで処理(例えば逆行列計算)させようとした時に虚数単位が引っかかって怒られることがあった。 sympyの代数表記を数値表記に戻す方法として"N()"や"~.evalf()"があるが、これではsym…

ローレンツ変換行列要素における反変・共変の関係

反変ベクトルに対する変換行列と共変ベクトルに対する変換行列は、計量テンソルで以下のように結び付けられる。しかし、やっぱりわかったようなわからないような、という感じに苛まれる。 ここでと定義すると、以下のような関係であることがわかる。つまり、…