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基礎的なことこそ、簡単な例が必要だと思うのです。

三つの散乱波動関数

前回、位相シフトと行列の関係についてまとめた。 koideforest.hatenadiary.com散乱波動関数は、ざっくり3つに分けられると思うので、それぞれまとめてみた。 結局は、位相シフトで全部繋がる。 散乱振幅 位相シフト Green関数(Lippman-Scwinger方程式解)

散乱理論:位相シフトとT行列

外側で値を持たないポテンシャルに対する外側の波動関数は、一般に次のように書ける。 平面波の球面波展開と比較すれば、動径S-eq.の非正則解の線形結合になっていて、一般解の形になっているのがわかると思う。 であるため、この変換は厳密である。 (わざ…

多重項を数える(1)

前回、binary表現を使って、電子配置を作ることを試みた。 koideforest.hatenadiary.com次のステップとして多重項を数え上げるため、電子配置を作るのと同時に角運動量とスピンも一緒にリストで保存するように改良した。 def add_electron( configurations0,…

バイナリーと量子力学

例えば2p軌道とかのp軌道の場合、一電子状態は以下のどれかに対応する。(1,u), (1, d), (0, u), (0, d), ( -1, u), ( -1, d)これを、binary形式、「電子がいる軌道=1」、「電子がいない軌道=0」とすれば、例えば、(1,u)と(1, d)が占有されているとき、110000…

3価のTiイオンのLII, LIII端における原子多重項遷移

Tiの自由イオン状態のedgeは三本のピークが立つ。Tiは基底状態で3dが空っぽなので、基底状態の多重項はとなる。 (多重項はで表される。ただし、をで表す。)edgeでは、2pにホールが開いて、3dに電子が一個足されるので、 電子配置:2p3d 出現する多重項は、…

Green関数の固有関数展開

前回、フーリエ変換の視点で自由Green関数を弄った。 koideforest.hatenadiary.com今回は、もっと一般的(?)にハミルトニアンの固有関数で展開することを考える。 したがって、Green関数の位置表示は、 自由電子の時には、運動エネルギーの固有状態表示で…

自由電子Green関数のFourier変換

パッと探したところ と出来る理由が見当たらなかったので、真面目に計算してみた。 (もちろん、ハミルトニアンの並進対称性から明らかなのはわかっているが、真面目な方法でやって同じ答えになるはずである)Diracのbraket表示を使って、演算子の方程式から…

XMCDのSum ruleをpythonで処理

とあるスクールで、講師が事前に用意したOriginのマクロを使ってXMCDのSum ruleから磁気モーメントを求めるという講習があったが、Originを使いたいと全く思わなかったため、一人でpythonスクリプトを黙々と作っていた。ローレンツ関数やら誤差関数やらで適…

自由電子Green関数の部分波展開

Hartree原子単位系以下、これを証明する。フーリエ変換を使って、微分方程式を解く。 平面波の角運動量展開 パリティ対称性 より、被積分関数はに対して偶関数。よって、 球ベッセル関数は特異点を持たないので、分母にのみ特異性がある。 これを利用して、…

MacOSでpythonをインストールし直す

python2を主に使っていたが、仕事上ちゃんとpython3の環境を整えなければならなくなり、その際の記録。いろいろお試し感覚でごちゃごちゃ入れていて、 System由来のpython2 手動経由のpython2 MacPorts経由のpython2 pyenv経由のmicroconda (python3) が混在…

横軸と縦軸のデータをすぐに保存&読込 (python)

pythonで作業していて、パッとデータを保存する、もしくは読み込む方法。 結局は、横軸と縦軸の各一次元データ(横ベクトル)を結合して縦長のデータにする部分が面倒くさい。 しかし、それは numpy.c_ で解決することがわかった。 Pythonで配列や行列の結合…

統計的な相関まとめ

平均 揺らぎ 分散(標準偏差の二乗 or 揺らぎの二乗の平均) 統計学における分散と不偏分散 例題でわかりやすく解説 | 全人類がわかる統計学 標準偏差 標準偏差 | 統計用語集 | 統計WEB 不偏分散(アンサンブル平均ではない平均で取る) 統計学における分散…

スペクトル解析のコヒーレンスとアンサンブル平均

以前に相関関数をいろいろまとめた。 koideforest.hatenadiary.com koideforest.hatenadiary.com koideforest.hatenadiary.comしかし気になったのは、「今のコヒーレンスの定義では 1 にしかならないのではないか?」という点である。広島大の講義ノートにク…

三角関数の相関関数

以前の記事で、相関関数、及びそのガウス関数の時の振舞について調べた。 koideforest.hatenadiary.com koideforest.hatenadiary.comここでは三角関数()を使って相関関数の振舞を調べる。フーリエ変換の定義 三角関数( ) 自己相関関数の定義 スペクトル…

ガウス関数の相関関数

以前の記事で相関関数をまとめた。 koideforest.hatenadiary.com ここではガウス関数を使って、振舞を調べる。フーリエ変換の定義 自己相関関数 ガウス関数 スペクトルと自己相関関数 で、がちゃんと求まっていることがわかる。 相互相関関数の定義 より一般…

ガウス関数のフーリエ変換 (scipy.fftpack)

ガウス関数はフーリエ変換しても、数式上は(幅は変わるが)またガウス関数になる。 高速フーリエ変換(FFT)とフーリエ変換との関係を以前まとめたため、FFTを用いてガウス関数をフーリエ変換する。 koideforest.hatenadiary.comここではscipy.fftpackを用…

高速フーリエ変換(FFT)を使ってフーリエ変換する方法

高速フーリエ変換(FFT)は結局は離散フーリエ変換であり、どちらかというとフーリエ級数展開に近い。 高速フーリエ変換 - WikipediaFFTは結局は級数展開、つまり「和」なので、フーリエ変換、つまり「積分」にするためには、変換が必要である。 http://hook…

古典的な相関関数のまとめ

「相関とは内積の拡張のようなものである」という説明で納得した。 相関関数 [物理のかぎしっぽ]離散的な数直線上の点における関数値をベクトルと思えば、内積はと表せる。これがゼロのとき、関数は互いに直交していると言える。ここで、を連続量に置き換え…

任意の基底関数における正規方程式

多項式による正規方程式の導出を、こちらにサイトでお世話になった。 線形回帰の Normal Equation(正規方程式)について しかし、別に多項式じゃなくても何でも良いと思ったので、導出してみた。何かしらの入力に対する出力が個の組で得られているとする。 …

散乱振幅からサイトT行列を復元する。

実験結果か何かで、散乱振幅の角度分布が得られているとする。 ここからサイト行列を復元する方法を考える。 サイト行列が求まれば、そこからArgand diagramを作って、(準)共鳴準位があるとかないとか、追加で情報が得られる(もし角度分布のエネルギー依…

部分散乱振幅(サイトT行列)のアーガンド図

仕事で図を作る必要があったので、練習がてらまとめた。位相シフトなどの概念にについては、wikipedia等を参照して頂きたい。 散乱振幅 - Wikipedia 簡単に言うと、「ポテンシャルが無い時の波は、ポテンシャルによってどれくらい変調されたか?」を表す量で…

ベイズの定理:薬物検査の難しさ

ベイズの定理のWikipediaで、応用例として薬物検査で陽性が出た時に本当に使用者でる確率が取り上げられている。ベイズの定理 ベイズの定理 - Wikipedia 全確率の定理 Law of total probability - Wikipedia 感度:薬物使用者のうち99%が陽性になる。 特異度…

誕生日のパラドックス:「私」か「全員」か

たまたま見つけたやつ。 【オリジナル】「誕生日が同じだった運命のふたりの漫画。」漫画/山本アリフレッド [pixiv] 30人のクラスの中で、同じ誕生日のペアが出来る確率は7割だから、誕生日が同じなのは奇跡ではない、というもの。 これについて、「『私と』…

結合法則と交換法則が成り立たない簡単な例

加法や乗法は、(それらの群の上では)結合の法則と交換の法則を満たす。減法や除法も加法群および乗法群に含まれてしまうため、何かこれらを満たさない別の簡単な例はないかなぁと思っていたら、パッと冪演算を思い付いた。 冪演算をで定義すると、少なくと…

第二量子化と場の演算子と波動関数

以前、第二量子化についての記事を書いたが、誤って消してしまったので、再度投稿。任意の波動関数を、基底関数で展開し、その展開係数をとする。 これに対応する場の演算子は、消滅演算子を用いて、次のように書ける。したがって、第二量子化は展開係数を量…

水素様原子波動関数 (python)

以前、pythonにおける水素様原子のためのLaguerre陪関数について確認した。 koideforest.hatenadiary.comせっかくなので、pythonで規格化まで含めた水素様原子波動関数のスクリプト(原子単位系)を作った。 from scipy.special import assoc_laguerre from …

X線吸収の多重散乱理論でよく使いそうな関数 (python)

ほぼ自分用のメモ from scipy.special import spherical_jn, spherical_yn, sph_harm from sympy import * from sympy.physics.wigner import clebsch_gordan, gaunt # spherical Bessel function def jl( l, rho ): return spherical_jn( l, rho ) # spheri…

EXAFS振動のフーリエ変換について

「EXAFS振動をフーリエ変換する」というフレーズはX線吸収分光をやっていると腐る程見かけるが、実際にはArtemisやらLarchやらのソフトで流し込んで、実際に気にするところはパラメータのフィッティングだけということがほとんどな気がする。 ここでは「そも…

メタン(CH4)の分子軌道とLiebフラットバンド

四つ足で御馴染みのメタンの分子軌道が、固体におけるLiebフラットバンドが現れる構造と同じということで、テンションが上がった。以下の簡単な飛び移りだけを考えたハミルトニアン行列の固有値と固有ベクトルを求める。 対角成分(各原子上でのエネルギー)…

立体角積分 - Lebedev quadrature

数値計算で立体角積分をしたいとき、安直に二重積分するよりも、Lebedev求積法を使った方が効率が良い。 Lebedev quadrature - Wikipedia http://people.maths.ox.ac.uk/beentjes/Essays/QuadratureSphere.pdf効率が良いという意味は、メッシュ数が少なくて…