「相関とは内積の拡張のようなものである」という説明で納得した。
相関関数 [物理のかぎしっぽ]
離散的な数直線上の点における関数値をベクトルと思えば、内積は
と表せる。これがゼロのとき、関数は互いに直交していると言える。
ここで、を連続量に置き換え、それに伴って和を積分に置き換えれば、内積を拡張したものが得られる。
これを相関と呼ぶ。
もしくはのときをそれぞれ自己相関、相互相関と呼ぶ。
自己相関は、ベクトルで言えば「ノルムの二乗」に相当する。
自己相関がゼロで無いときに、相互相関がゼロになる場合、互いに直交すると言える。
フーリエ変換も、ある波数の平面波との相関を取ったものである。
しかし、自己相関関数と言うと、意味が変わる。
http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2009_09/jspf2009_09-620.pdf
自己相関関数は、自分自身をズラしたものとの相関であり、ズラす量を引数に持つ。
を、つまり、自己相関で規格化したものを自己相関係数と呼ぶ。
関数が周期的な場合、自己相関関数(係数)も周期的に振動し、が最初にを跨ぐは変動の速さを特徴付ける量として使うことが出来る。
自己相関関数の被積分関数をフーリエ変換を用いて表すと、
(ただし、は実関数で積分区間外でゼロ())
つまり、真面目に関数をちょっとずつズラして積分しなくても、フーリエ変換の(強度の)逆フーリエ変換から自己相関関数を求めることが出来る。
今まで、「ふーん」としか思っていなかったが、よく考えると、
であり、フーリエ成分を(絶対値の)二乗して逆フーリエしたら全然違う量になっているのは、なかなか面白いのではないか?
この「逆フーリエ変換すると自己相関関数を与える」関数をスペクトルと呼ぶ。
特に、は実関数の全強度に対応し、から、「スペクトルは(周)波数ごとの強度」と解釈出来ることがわかる。また、計算したスペクトルが正しいかどうか、直接求めた全強度と比較することでチェックすることも出来る。
余談だが、平均値 からのズレであるを扱う方が便利なこともある。
自己相関が分散に対応するように自己相関関数を以下のように定義すると、
この場合、が全分散を与えるため、スペクトルは(周)波数ごとの分散を与えるものとして解釈出来る。これは揺らぎの解析に利用出来ると考えられる。
自己相関関数があるならば、相互相関関数も定義出来る。
はクロススペクトルと呼ばれる。
クロススペクトルは一般に複素数であるから、その位相は次のように求められる。
種々の相関関数から相互相関係数を作ったように、種々のスペクトルからコヒーレンスが定義出来る。
これらが実際の関数を考えた時にどうなっているのかは、今後少しずつ遊んでみたいと思う。