を考える。もちろん答えはである。
これを敢えて逐次代入法で解いてみよう。この方法は固体物理や第一原理計算で用いるSCF法と同じノリである。
最初に初期値を設定する。答えに近ければ近い程良いが、とりあえずとおく。これを右辺に代入したものが左辺を与えるとして、
と次々に項が求まる。が、よく見ると全然0.5に近づいておらず、このままだとずっと振動してが求まらない。
そこで収束因子を導入する。は新しいをどれくらい古いに混ぜるかというもので、例えばは次のようになる。
が小さい程、古いの情報が残り、の変化が緩やかになる。
具体的に値を入れてその振舞を見てみると、
というように振動が抑えられ、0.5に近づいていくのが分かる。
では本当にこれを続けて0.5になるかどうかを解析的に解いてみよう。
よって、これを無限に繰り返すと、であれば、
となり、初期値にも収束因子にも依存せず答えがちゃんと求まることが示せた。
、つまりという条件は、元々が新しいと古いの割合ということを思い出せば全く自然な範囲である。
ちなみに、最初にを代入すると一発で求まるし、でも一発で求まるので、問題によって適切な初期値と収束因子を選ぶことが重要であることがわかる。しかし、一般に収束因子に関しては物理的なものではないので類推は困難であり、経験的に適切だと思われる値を入れることが多いと個人的には思う。
最適な収束因子を求める問題とか数値計算の方でありそうな気がするが、不用意に飛び込むと全ての数値計算法に満足出来なくなりそうで怖いのでやめておこう。。。